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「シルバーレイン」の北野坂かののブログです。 わからない人にはわからない内容です。
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戦争です。
妖精のいそがしいこの時期に/(^o^)\アーッ
ちまちま参加していきたいと思います。はい。


「来た来た来た来た!」
戸を開けずかずかとはいってきながらキジがいう。
その目は獲物を定めた獣の目だ。

ささやかなダイニングテーブルがかたかたと揺れている。
マウドゥードが珍しく、
地図を広げて腕を組み、貧乏ゆすりをしているのだ。

あまりこの部屋に野獣をいれたくはないのだが、
うちはといえば、点いた炎を消すこともできず、
昨夜も眠れずにひたすらにラストスタンドの会議室と
部屋を行ったりきたりしていた。
今はガトリングガンの手入れをしている。

キジはマウの地図に目を落とし、黙った。
明らかに普段と様相の異なる彼の眼が、
その集中の深さと演算を表していた。

マウは微動だにせぬまま真顔でつぶやく。
「…こんなにも素直に殺したいと思わせるとは、
 敵もなかなかやりますね。」
沈黙は賛同。
「リリスの半端な頭の悪さ、朝比奈の浅はかな殺人、
 世界征服?くだらない。
 子どもに力を与えればこのざま…。
 帯刀には自害してもらいたいところですね。」
なおも沈黙。

キジはあごを指ですりながら地図を見つめ続ける。
バイト帰りらしいが、そんなことはどうでもいいらしい。
「…クラッシャーの判断は、いっつも正しい。」
うちは一言つぶやいた。
いつだって前線に立つ者の判断が正しかった。

弾かれたようにキジがこちらを見る。
あの眼。
「そりゃ、いいポジションにはいれたみてェだなァ。」
ここにくる前に会議室にも顔をだしたらしい。
安心したように、いつのまにか持ち込みおった寝袋で眠る支度をはじめた。
「…あァ、眠れねェ。計算が止まらねェ…。」
目を閉じても戦を案じる脳が働き続けているらしい。
「………大丈夫、クラッシャーは大丈夫。あんたは一人やない。」
できる限りやさしく声をかける。
そこには懐かしさもあった。

…ラストスタンド。今回のうちのポジション。
生半なことをするつもりは、ない。
甘えない。必ず勝つ。

そう思いながら獣爪の手入れを始めると、
マウがやさしくつぶやいた。
「かのさんも、お一人ではありませんよ。
 お命、大事になさってください。」

目をあわせることができず、うつむいた。
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