忍者ブログ
「シルバーレイン」の北野坂かののブログです。 わからない人にはわからない内容です。
[180]  [179]  [178]  [177]  [176]  [175]  [174]  [173]  [172]  [171]  [170
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

※「オトン」が5月から飼い始めた犬、
 だと思ってたら犬じゃなかった不動くんのお話です。

語り手を不動にしたらお話しにならなくってよ!ホホホ!
って感じだったんで今回も摩耶です。


「マヤ、なんよー?」
かのちゃんがおっさんみたいな動きでパンプスを脱ぎながら聞く。
「あんな~、あれ~。」
うちは部屋で丸まっとる黒い塊の毛っぽい方を指した。
「あ?あ!?あああ!!!??」
かのちゃんはへんな声をあげる。

「ごま殖えた!!!!?」
「ちゃう~。」
ずるずるとひっぱってみた。
それは犬のかたちをしている。
「これ~。」
「なんや、犬ひろてきたん?」
「ちゃうよ~!オトンの子~!」
「なんや、飼いきれんなったんか。」
「あるいみそー。」
「ふーん。」

新しい家のいろんな戸を開けてかのちゃんは調べとる。
「なんや、ごまちゃんの服?」
男物の服を発見して、なんやでかいな…とかつぶやいとる。
うちはふーちゃんをつかまえたままながめとる。

かのちゃんが居間にもどってくる。
「あんた、ここペット可なん?」
といいながらふーちゃんをわしわしとなでる。
と、びっくりしてふーちゃんが飛び起きてかのちゃんに飛びついた。
よく飛ぶ子や。エアライダーのが向いとるんちゃうやろか。
「おー、元気やなぁ。」
とかのちゃんが声をかけたら、
ふーちゃんは人間?人狼?なんやしらん、の格好にもどった。

「でっかいねーちゃん!」
「ギャアアアアアアア!!!!!!」
184.8cm(学校で測ってもろた)が飛びついた状態。
さすがのかのちゃんも倒れて、
丸まっとるごまちゃんのうえに倒れた。
「わああー。おもいー。」
「ギャアアア!!いだああああああッ!」
「ねーちゃーーーん!」
なんやろうこの山。おもろい。

でも近所迷惑になるからふーちゃんをはがしてみた。
かのちゃんはめっちゃすごい顔で
「………なに、そいつ。」
とふーちゃんを見ている。
関帝廟のおっちゃんみたいな顔や。
ごまちゃんは死んどる。
「オトンの~、ふーちゃん。」
「きたのざかふどー!」
ふーちゃんが元気一杯に手をあげる。
そして「でっかいねーちゃん!」とかのちゃんを指さす。

お茶いれて簡単に事情を説明すると、
「あのおっさん、死ぬんちゃうか。」とつぶやいていた。
その間もふーちゃんはかのちゃんにへばりついている。
「でっかいねーちゃん!」
「かのちゃん。」
「かのちゃん!」
さすが長女やなぁ、と感心しながらながめとったら、
「なんであんたとうちの周りは、
 顔はええのにアタマが残念な男が多いんや。」
とかのちゃんは嘆いていた。
「そ~かなぁ。ふーちゃんえーごでけるし算数もでけるよー。」
「でける!」
「ふーん…。」
お茶をすすりながらかのちゃんは適当に聞いている。

「お手。」
「はい!」
「おかわり。」
「はい!」
「ちん…」「はいカットぉぉ~!」
「カット!?」

うちは夢みる乙女のポーズで理想を語る。
「あんな、まーはな、
 ふーちゃんを王子様に育てんねん。」
「はぁ!?」
かのちゃんはものっそい顔。
「こんなイケメンやのに、アホなんはもったいない!
 どうせなら王子様にするねん!」
「へぇ…。」
ものっそい味のある顔。
ふーちゃんはごまちゃんの髪の毛をつくろっとる。
「プリンスはそんな言葉おぼえたらあかんの!」
「いや、こいつかてそんくらいしっとるやろ。
 トイレ自分でするやろ?」
「………。」
「佐藤みたいなこといいなや。あほらし。」
かのちゃんはあくび。
「佐藤くんは王子やで!!かいもんの帰りに会うたら荷物もってくれるもん!」
「佐藤はヒエラルキーの最下層やねんからそんなん当たり前やろ。」
「もっとかんたんなことばでいって!」
「佐藤はみんなのパシリなん。」
「………でも…イケメンやもん…。」
「顔に栄養がいったんや。」
「………。」
「…。」
長い沈黙。

「………ほな、佐藤くんみたいにならんように育てる!!」
「それや!それが正しい!!」
「その方向性でゴー!!」

おはなしがまとまりました。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ [PR]
Template designed by YURI