「シルバーレイン」の北野坂かののブログです。
わからない人にはわからない内容です。
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※「オトン」が5月から飼い始めた犬、
だと思ってたら犬じゃなかった不動くんのお話です。
語り手を不動にしたらお話しにならなくってよ!ホホホ!
って感じだったんで今回も摩耶です。
だと思ってたら犬じゃなかった不動くんのお話です。
語り手を不動にしたらお話しにならなくってよ!ホホホ!
って感じだったんで今回も摩耶です。
「マヤ、なんよー?」
かのちゃんがおっさんみたいな動きでパンプスを脱ぎながら聞く。
「あんな~、あれ~。」
うちは部屋で丸まっとる黒い塊の毛っぽい方を指した。
「あ?あ!?あああ!!!??」
かのちゃんはへんな声をあげる。
「ごま殖えた!!!!?」
「ちゃう~。」
ずるずるとひっぱってみた。
それは犬のかたちをしている。
「これ~。」
「なんや、犬ひろてきたん?」
「ちゃうよ~!オトンの子~!」
「なんや、飼いきれんなったんか。」
「あるいみそー。」
「ふーん。」
新しい家のいろんな戸を開けてかのちゃんは調べとる。
「なんや、ごまちゃんの服?」
男物の服を発見して、なんやでかいな…とかつぶやいとる。
うちはふーちゃんをつかまえたままながめとる。
かのちゃんが居間にもどってくる。
「あんた、ここペット可なん?」
といいながらふーちゃんをわしわしとなでる。
と、びっくりしてふーちゃんが飛び起きてかのちゃんに飛びついた。
よく飛ぶ子や。エアライダーのが向いとるんちゃうやろか。
「おー、元気やなぁ。」
とかのちゃんが声をかけたら、
ふーちゃんは人間?人狼?なんやしらん、の格好にもどった。
「でっかいねーちゃん!」
「ギャアアアアアアア!!!!!!」
184.8cm(学校で測ってもろた)が飛びついた状態。
さすがのかのちゃんも倒れて、
丸まっとるごまちゃんのうえに倒れた。
「わああー。おもいー。」
「ギャアアア!!いだああああああッ!」
「ねーちゃーーーん!」
なんやろうこの山。おもろい。
でも近所迷惑になるからふーちゃんをはがしてみた。
かのちゃんはめっちゃすごい顔で
「………なに、そいつ。」
とふーちゃんを見ている。
関帝廟のおっちゃんみたいな顔や。
ごまちゃんは死んどる。
「オトンの~、ふーちゃん。」
「きたのざかふどー!」
ふーちゃんが元気一杯に手をあげる。
そして「でっかいねーちゃん!」とかのちゃんを指さす。
お茶いれて簡単に事情を説明すると、
「あのおっさん、死ぬんちゃうか。」とつぶやいていた。
その間もふーちゃんはかのちゃんにへばりついている。
「でっかいねーちゃん!」
「かのちゃん。」
「かのちゃん!」
さすが長女やなぁ、と感心しながらながめとったら、
「なんであんたとうちの周りは、
顔はええのにアタマが残念な男が多いんや。」
とかのちゃんは嘆いていた。
「そ~かなぁ。ふーちゃんえーごでけるし算数もでけるよー。」
「でける!」
「ふーん…。」
お茶をすすりながらかのちゃんは適当に聞いている。
「お手。」
「はい!」
「おかわり。」
「はい!」
「ちん…」「はいカットぉぉ~!」
「カット!?」
うちは夢みる乙女のポーズで理想を語る。
「あんな、まーはな、
ふーちゃんを王子様に育てんねん。」
「はぁ!?」
かのちゃんはものっそい顔。
「こんなイケメンやのに、アホなんはもったいない!
どうせなら王子様にするねん!」
「へぇ…。」
ものっそい味のある顔。
ふーちゃんはごまちゃんの髪の毛をつくろっとる。
「プリンスはそんな言葉おぼえたらあかんの!」
「いや、こいつかてそんくらいしっとるやろ。
トイレ自分でするやろ?」
「………。」
「佐藤みたいなこといいなや。あほらし。」
かのちゃんはあくび。
「佐藤くんは王子やで!!かいもんの帰りに会うたら荷物もってくれるもん!」
「佐藤はヒエラルキーの最下層やねんからそんなん当たり前やろ。」
「もっとかんたんなことばでいって!」
「佐藤はみんなのパシリなん。」
「………でも…イケメンやもん…。」
「顔に栄養がいったんや。」
「………。」
「…。」
長い沈黙。
「………ほな、佐藤くんみたいにならんように育てる!!」
「それや!それが正しい!!」
「その方向性でゴー!!」
おはなしがまとまりました。
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