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「シルバーレイン」の北野坂かののブログです。 わからない人にはわからない内容です。
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※この記事はかのの妹の摩耶の日記です。

ゴールデンウィークは神戸の実家に帰ってきました。


神戸へは、横浜から新幹線ですぐ。

長く三人で暮らした家は、
父一人にはとても広く、寂しく感じられました。

家を出てから一年も経っていないのに、
父はとても…なんだろう、老けた、かなあ。
それとも疲れた、かなあ。
そんな風に見えました。

かのちゃんも誘ったけど、
ほとんど家出同然で家出た手前、
まだオトンと顔合わせづらいみたいで、
一緒には帰りませんでした。
帰ったら喜ぶと思うんやけどなあ。

祖父母もとても喜んでくれて、
わざわざ神戸まで出てきてくれたので、
一緒に食事したりでかけたりしました。

うちは一応、捨て子やったのを父に拾われて、
養子になったことになっとるんやけど…。

おばあちゃんが実質お母さんみたいになって
中学まで家にきて育ててくれました。
その間おじいちゃんは自分のこと全部自分でして、
今思えば大変やったやろうな…。

血の繋がらないうちの帰りをあんなに喜んでくれた。
とても、ええ人たち。

このまま実家に居た方がみんな幸せなんかもしれへん、
と考えた。

うちはオトンからお母さんを奪った蜘蛛童。
そんなことを忘れさせるくらい大事に育ててくれたオトン。
一生懸命土蜘蛛のこと勉強してくれて、
巫女さんらと会わせてくれたり、
チビちゃんらの保護も手伝ってくれた。


うちは人工島の戦いで銀誓館の土蜘蛛さんらを感知するまで、
六甲山に現れる妖獣をチビちゃんらと退治しながら過ごしとった。

イグニッションカード。
これがあれば、「見えざる狂気」に冒されることはない。
このままこれを持って、前みたいな生活を…、
なんて考えたけど、無理やな。

今はチビちゃんだけやない。
うちは「銀誓館の生徒」として、
一般の人々と世界結界を守っとる。

それに、東北のあの男…。

オトン、それにおじいちゃんおばあちゃんには寂しい思いさせるけど、
うちはまだ銀誓館を離れるわけにはいかへん。

なんて悩んで悩んで決心して帰る日の朝、
オトンが居間で一匹の大型犬の子犬と遊んどった。
「名前、不動がええかな。ヌノビキじゃあちょっとなあ。」

一気に気が抜けた。

忘れとった。
そうです、この人はうちとかのちゃんのオトンだったのです。
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