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「シルバーレイン」の北野坂かののブログです。 わからない人にはわからない内容です。
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夜。
いつものように駅前に集合。
すでにきていた大型バイクに乗った男がこちらに目をむける。
「こんばんは。」
あとの二人はまだきていないらしい。

男、マウドゥードはハンドルに腕を組んで乗せ、もたせかかる。
「かのさんは、こっち側ですよね。」
いつも通りの調子、いつも通りの蠱惑的な微笑みでいう。

こっち側。
「ええ、こっち側。」
意味を考える。
「僕たちはぶっつぶせればなんでもいいんですよ。」
やさしく微笑み、
銀誓館が正義でも悪でもなんだって、と付け加える。

うちは…といいかけて、止まる。
戦場への恐怖は、まだある。
いや、死への恐怖。
それを上回る快感。
人狼戦線の最狂部隊と戦ったときのことを思い出す。
うちは、あれを愉しんでいなかったか?

『ぶっつぶせればなんでもいい。』
反芻する。
萩沢さんは見ればすぐにわかる。
マウドゥードは付き合えばすぐにわかる。
…佐藤も?あのいつもにこにことした男が…?
…いや、あいつもどこか狂っている。
ぼけたふりをして、目はいつでも獲物を追っている。

「正気のふりは大切ですけどね。」
意識をさえぎるマウドゥードの声。
「あなたはどうも狂った人間と遊びたがるようで。」
ふふ、と小さく笑う。
「そろそろお別れですけどね。」
「え。」
いきなり別れを宣告され、
うちはあっけにとられる。

「ご一緒できるのも、今夜で最後でしょうか。
 …あなたは僕たちよりも精髄に近付いていますから。」
うちと目をあわせず、少しさびしそうに告げるマウドゥードを見つめる。
…さびしい。
でも、もちろんそんなことは口にはだせない。
「信悟くんか広海さんの家にくればいいですよ。」
マウドゥードのなぐさめの言葉。
それはごくふつうのことだが、
しかしそれでは満たされない自分がいる。

つまり、うちは彼らとともに『狂いたい』のだと、そう気付いた。

萩沢さんが斧をたたきこみ、佐藤がパラノイアをはなつ。
マウドゥードが奏甲をかけてくれ、
うちがキャノンをぶっぱなす。

仲間の装備にけちをつけ、
自分の持ち合わせの詠唱兵器を送りつける。
アビリティの変更を要求しあう。

あたりまえだと思っていた戦場。
『いつもの』光景。
それがなくなるのだとは、想像もしがたい。

「…さびしい。」
結局つぶやいてしまった。
「きっとすぐ慣れますよ。」
気づかうようにマウドゥードが見上げてくる。
そして、僕らよりおかしい人はたくさんいますよ、
と付け加えられ、
なんともいえない微妙な気持ちになる。

萩沢さんと佐藤は、まだこない。


#レベル差が大きくなってきたので組みづらくなってしまいました。
 半年ちかく付き合ってくれたチーム萩沢に感謝を。
 (萩沢さんと佐藤が待ち合わせ時間にこないのはデフォルトです。)
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